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4.2.地理モデルは14世紀頃の北ドイツ付近が中心となっている(注1)。■ 国トレニー王国   トレニー銀貨を発行している商業の発達した国。他国と同様、中央集権が進んでおらず、国王の権力はそれほど強くない。作中の時期では王家が財政難に瀕しており、トレニー銀貨の切り下げ(純度を下げて枚数を水増しする行為)が行われた。領内の主な町はパッツィオ、主要河川はスラウド川。ラオンディール公国   ミローネ商会の本店がある南方の商業国。現君主は33代目のラオンディール大公。プロアニア王国   北方の王国。王族にも異教徒がいるため、錬金術師や自然学者のような教会が異端視するものに対しても比較的寛容である。また国内は異教徒と正教徒が混住しているため、正教徒の町と異教徒の町の関係が険悪な場合もある。首都はプロアニア以北最大の都市エンディマ。主要な町はクメルスン、レノス、ケルーベ。主要河川はローム川。ウィンフィール王国   ローム川を下り、さらに海を渡った先にある島国。大陸から辛うじて肉眼で確認できる距離にある。現国王は3代目に当たる在位5年目のスフォン王。冬には大量の雪が降る北国だが、それ以外の季節には雨が多く降り、肥沃な牧草地が広がっている。畜産、特に牧羊と羊毛産業が盛ん。この国は貨幣が少なく、政変があると国内の貨幣が一斉に海外に流出する。このため、この国の貨幣は沈没を先読みして船から逃げ出すネズミにたとえられ、「ネズミ貨幣」と呼ばれている。現在小麦と葡萄酒以外の輸入が禁止され、この国を訪れる旅行者が減り、貨幣も混ぜ物が多いものに改鋳されたため、国内経済は不況に陥っている。トートヒルト共和国   北の大遠征に参加した高名な騎士団が異教徒の軍勢との戦いで劣勢に陥ったとき、空一面に巨大な白い教会の紋章が現れ(実際は渡り鳥の群れ)、それを見た騎士団が奮闘し勝利を収めた、という伝承の残っている国。この伝説に倣って国旗は赤地に白い協会の紋章が描かれている。■ 都市・町・村アロヒトストック   北にあり、極北と呼ばれる地域。ロレンスが行商経験でホロと出会う前に訪れた年中吹雪の恐ろしい場所。近辺に「凪の大地」と呼ばれる場所が存在する。ヨーレンツ   ロレンスが山奥の村でテンの毛皮を仕入れるために塩を売った場所。パスロエ   大昔ホロが村の青年に頼まれて以来、麦の生育を司っていた農村。毎年収穫の頃には、ホロを祭った収穫祭が開かれている。近年、エーレンドット伯爵がこの村を治めるようになってから、南方の進んだ農法を取り入れ、周辺地域屈指の麦の収穫高を誇るようになった。村の近くに修道院がある。ヨイツ   北にあるホロの故郷。大昔に、「月を狩る熊」という白く巨大で凶暴な熊の神に滅ぼされた、という話が残る。書物によれば、ヨイツに住んでいた神々は熊が来る前に逃げ出したとされる。また、他の書物に記された昔話によれば、レノスから北東の方角、ロエフ川上流にあったとされる。ニョッヒラ   北にある温泉町。各国から王侯貴族もやって来る有名な温泉地で、ホロもヨイツにいるころは、よく湯に浸かりに行った。パッツィオ   スラウド川中流に位置する大きな港町。上流に麦の大産地と林業の盛んな山林があり、橋のないスラウド川を船で渡るために、多くの人がこの町を通る。商業が発達して市民が力を持っており、トレニー国王から自治権を奪い取った。市内の市場には川から運河が通い、露店には様々な果物が並び、活気に満ちている。また地下にはかつて使われていた用水路が今も残っており、現地の教会や商会によって随所に手が加えられている。ポロソン   かつてはとある異教の聖地だったが、今では教会都市リュビンハイゲンの支配下にあり、町の人たちは熱心な正教徒となっている。交易と商取引の盛んな町であるものの、住民が商売の儲けを教会に寄付し、あるいは教会が税金として徴収するため、立派なのは町を囲む市壁だけで、市内は簡素な家しかなく、露店も少ない。元々が異教徒の地だったため、住民には変わった苗字を持つ者が少なくない。リュビンハイゲン   教会が大きな力を持つ教会都市。教会の戦略的な物資補給拠点になっている。高い市壁に囲まれ、旧市街をとりまくように、一般市街区が広がっている。5つの広場が五角形に配置されており、中心に旧市街の広場がある。旧市街の広場には大聖堂と教会にとって功績のあった騎士や聖人等の銅像が立っており、南側の広場はメインゲートと噴水があり、周囲を商会や商業組合の建物が軒を連ね、常設の市で賑っている。都市や周辺地域は聖堂参事会が治めている。産業保護の名目で、特定の商人以外は金や宝石に高い関税をかけられ、密輸には厳罰(利き腕の切断から絞首刑まで)が処される。  都市の名は、異教徒討伐のためこの地に砦を築き、異教の神々と戦って左腕を失った赤毛の聖人リュビンハイゲンに由来する。かつてホロはリュビンハイゲンらしき人物に会ったことがあり、耳と尻尾を見るなり悪魔の手先と決めつけ追いかけてきた彼に腹を立て、狼の姿で騎士達を蹴散らし、尻に噛みついたとロレンスに語っている。ラムトラ   リュビンハイゲンの近くにある町。異教徒も多く住むが、リュビンハイゲンとこの町の間には騎士団ですら恐れる不気味な森が広がっており、未だ討伐を受けたことがない。クメルスン   プロアニア王国の貴族によって、宗教に縛られない純粋な経済発展を願って作られた商業の盛んな町。このため宗教の束縛がゆるく、教会も存在しない。冬季にはラッドラ祭と呼ばれる盛大な祭と、営業時間を延長した大市が開催される。また、町の北側には、教会から異端視されている錬金術師や自然学者が多く住む。近くに漁業の盛んな湖や川があるため、コイ等の淡水魚の料理が名物。この町にもロレンスが所属するローエン商業組合の商館が存在する。ロレンスたちが町を訪れたときには、口のうまいとある占い師が、お守りや占い用に多くの黄鉄鉱を売りつけたため、黄鉄鉱の価格が高騰していた。エンベルク   プロアニア王国のやや東寄りにある町。かつては近くにあるテレオよりも小さな村だったが、南の宣教師が宣教を行った結果、教会が建ち、道路が整備され、今では周辺地域の交易の中心地となっている。テレオ   ライ麦栽培の盛んな比較的大きな農村。村にある教会の司祭の働きにより、エンベルクとの間に破格の契約が結ばれている。村民は「トルエオ様」と呼ばれる蛇神を信仰する。レノス   ローム川に面して作られた港町。100年程前にできた立派な市壁に囲まれている。上流に森と鉱山が存在するロエフ川とローム川の合流地点にあるため、交通と商業の要所となっており、毛皮と材木の取引が盛ん。遥か昔、ホロはこの町を訪れたことがあり、町の言い伝えでは「麦束尻尾のホロウ」と呼ばれていた。名物は川に堤防を作る奇妙で賢い鼠の料理である「尻尾料理」とローム川で採れる二枚貝の料理。エリソン   北方にある町。学校があり、学生が多い。アケント   南にある学園都市。かつてコルが教会法学を学んでいた町で、中心には知恵の泉と言われる池がある。町には活気があり市場には様々な品物が並んでいるが、学生が多く住んでいるため治安も悪い。レスコ   ローヌ川の支流に当たる、ロエフ川上流にある銅を産出する鉱山町。鉱山町故一攫千金を狙った人々が多く集まり、活気はあるが治安が悪く、採掘のため周囲の森は消え川も汚れ住環境も悪い。ピヌ   ロエフ川上流にある村。コルの出身地。村の守り神として、かつて村を大洪水から救った巨大なカエルの神ピヌを信仰する異教徒の村。ルピ   ピヌから山2つ向こうにある村。狐とフクロウを捕まえる名人が多く住んでいたが、南の宣教師が来てからは教会が建てられ逆らった村人は見せしめに処刑された。かつて村には傷を負った巨大な狼が訪れ、片足と子種を残したという言い伝えがあり、村では今でもその狼を崇拝している。ケルーベ   ローム川河口にある大きな港町。ローム川の南北両岸にそれぞれ町があり、その間に横たわる三角州にも町がある。これら全ての町をまとめて、ケルーベと呼ばれている。南岸には南方出身者が多く居住し、立派な建物が多く高い鐘つき塔を備えた教会があり、真ん中の三角州には商人向けの市場が存在し、貿易船の主な入港場所となっている。北岸には北方出身者が多く住み、市場は活気に満ちているが全体的にくたびれた建物が多く、教会もない。イーク   ウィンフィール王国の港町。ケルーベから船で半日の距離にある。羊毛取引が盛んで、商品として扱う商会が軒を連ねている。馬で3日ほどの距離に聖ブロンデル修道院がある。ジサーズ   ロレンス達がレノスに行く途中に寄った村。近く森と魚が採れる泉がある。修道院を建てるために開かれた新しい村で、土地の利権が入り組んでいるため近くの町と交流がなく、土地を巡って村人同士のいさかいも絶えなかった。タウシッグ   山麓にある村。ケルーベから1日半程の距離にある。近くに森と滝が流れ出ている湖がある。天へと飛び立った天使の伝説と、森に住みついた魔女の噂が伝わっている。1.『狼と香辛料ノ全テ』より
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